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STORY

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ここが指定のビルか。ただの廃ビルのようだが、壁に刻まれた番号、

隠し扉が仕込まれた入り口。間違いなく組織の建物だ。

 

一体どんな用件なのか。

この仰々しさで、ただ教官と面談をするだけというわけでもないだろう。

 

ひとつ言えるのは、これは今後に影響する重要な事象であるということ。

訓練生である私個人をして、教官がこのような機会を設けるなど

聞いたことがない。

他の訓練生から抜きん出るのにいいきっかけになるはずだ。

なにを要求されているかわからない以上、用心するに越したことはない。

周囲に人気がないか注意を払いながら、建物のぐるりを確認する。
外から見る分には中がどうなっているかはわからない。

 

指定の時刻が迫る。
 

様子見を止め、建物に入ろうとしたそのとき、近くで大きな音がした。
咄嗟に身構えるが、人の気配は依然としてない。
どうやら、通行人がどこかで勢いよく扉を開けただけのようだ。

中に入ると、しんと静まりかえった無機質なフロアだが、明かりがついている。
ゆっくりと奥に進むと、鉄製の扉とその脇にはヘッドセットが置かれていた。
どうやらこれを装着しろということらしい。

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